Pythonを使って何を自動化する?
Pythonを使って自動化するにも、何から始めればいいかわからない…という方も少なくないことでしょう。
自動化できる例は無数にありませんが、実際の業務で役立ちそうなPythonの使い方をご紹介しましょう。
スクレイピングで高効率化
そもそも、自動化とは様々な作業を指しています。コードを書いてコンピューターに作業させることも自動化でしょう。しかし、ルーティンワークや同じ作業の繰り返しを自動化することで、人手で行えば数時間かかるような作業も、ものの数分で終わらせることが可能です。自動化するのが最適と思える作業の一つに、スクレイピングが挙げられます。スクレイピングとは、ウェブサイトから特定の情報を抜き出す作業のことです。
例えば、過去10年の人気のあったウェブサイトの記事を抽出し、データ分析するなどの作業において、手作業で行うのと自動化してスクレイピングするのとでは圧倒的な差があります。自分で言葉を入力して検索し、過去10年という範囲に該当するウェブサイトを探すだけでも膨大な時間がかかりますが、Pythonを使って自動化すれば5分程度で完了します。後は収集したデータを分析するだけです。検索するだけで膨大な時間を費やす手作業も、Pythonを使うことで異常なまでに効率化を進められます。同じことはSEO対策を行うのにも役立ちます。
Googleの検索アルゴリズム最適なWebサイトを作成しなければ、アクセス数を増やすことは難しいものです。このSEO対策をするには、キーワードの選び方や並べ方を工夫しなければなりません。手作業で該当するキーワードを入力し、その結果を分析するのにはありえないほど時間がかかります。そこでPythonの出番です。それも、JavaScriptのような複雑で数十行のコードを書く必要もありません。データを自動収集するスクリプトを起動させて、キーワードを自動で入れ替え、検索ボリュームもAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を使って自動で取得できます。
特定のキーワードを指定してGoogleの検索結果を抜き出し、アフリエイトコードから売れる商品を分析することもできます。アフィリエイトでより効率的に稼ぐのに便利なツールです。このように、Pythonを使いこなせれば、普段の業務の高効率化やより難易度の高い作業を簡単に実現できます。
APIで各ソフトウェアの作業を自動化
APIを使うことで自動化の幅が広がります。APIとは、ソフトウェアとソフトウェアをつなぐインターフェースのことで、あるソフトウェアを違うソフトウェアと共同させてより便利な使い方や機能を生み出すものです。APIを使った自動化はプロの現場でも非常によく見られるもので、
- GmailのAPIを使ってメールの返信を自動化する
- LINEのAPIを使ってやはり自動で返信する
- ビジネスコミュニケーションツール「Slack」のAPIを使って、在庫情報を自動で報告してくるBOTを作成するなど、Pythonでできる自動化の例には限りがありません。
ブラウザの自動操作もPythonで簡単に実現できます。PythonのSeleniumというライブラリを使用すると、プログラムを起動するだけであらゆる操作をブラウザに対して実行できます。
- ファイル転送サービスにアクセスして自動でファイル転送(ダウンロード)させる・各Webサイトに自動でログインさせる
- ファイルのやりとりがある場合にダウンロードページに自動で移動させる
- 必要なファイル名を認識してそのリンクをクリックし、自動でダウンロードするなどの動作を駆使すれば、特定のWebサイトから特定のファイルが必要になった時に、ワンクリックでそこへ移動して自動でダウンロードし、指定したフォルダにまとめることも可能です。
他にも、一度に何千枚という画像を一括して編集するといった作業も自動化できます。ブログやライティングで用意しておいたJPEG画像を、全てまとめてサイズ変更したり切り抜いたりするという作業も、Pythonがあれば全てのJPEG画像をいちいち開くことなく作業を終わらせられます。
Excel、PDF、Word作業を自動化
Excelの操作を自動化で済ませられます。Pythonの場合はOpenPyXLというライブラリを使うと、PythonからExcelを操作できるようになります。文書の読み込みや書き出しはもちろん、
- セルのフォントスタイルを設定する
- 指定したデータをテンプレートに流し込む
- 行と列の調整・グラフの作成・テキストファイルからスプレッドシートに変換するなどの作業も可能です。
Excelを使いこなすのもそれなりの経験を必要としますが、どうせならPythonに自動化させて、退屈な作業を一気に終わらせた方がよほど効率的です。
Excel以外にも、PDFやWordもPythonで扱えます。PDFに関してはReportLab、PyPDF2、pdfminer、WordのファイルはPython-docxといったライブラリを使えば扱えるようになります。指定したPDFファイルから、特定の文字列を検索して必要な部分だけを抜き出したり、PDFファイルの新規作成やページ結合、回転なども行えます。Wordファイルの新規作成や変更、画像の貼り付け、表をExcelに変換して一覧化するなども、Pythonで必要なライブラリを起動すれば実装できます。