地雷案件にひっかからないように
トラブルを抱えた仕事=地雷案件は、プログラミングの世界にも多数存在しています。地雷案件を避けるにはどうすればいいでしょうか?
実際のエピソードを交えながら対策方法を考えてみましょう。
支払いされない事故は多い
「支払い期限も過ぎ、請求書を送っているにもかかわらず無しのつぶて。社長やスタッフに直接電話しても、全部居留守。普通は着信見て後で電話かけてきますよね。何度も入っている着信を見ても返事がない、というのは確信犯だ、と思いました。自分の携帯からではなく、別の固定電話からかけたところ、アッサリ応答。相手が私だと気づいたときの慌てようったらなかったですね。忙しかったとか、色んな言い訳していましたが、こういうクライアントには忽然とした態度で臨むことが重要です。請求書をいつ、何通出したか、電話の発信履歴等の証拠があるから弁護士に相談する、と伝えたら、すんなり支払われました」
【プロが解説】フリーランスが地雷案件を踏まないための実践方法7選
(https://go-creators.com/freelance-risks/)
「支払いが行われない」「支払いの段になって連絡が取れない」のは明らかに地雷案件です。支払い期限を過ぎても連絡がない、請求書を送っているのに振込がない、こちらからわざわざ連絡してるのに返事がない、といったケースです。支払い期限を過ぎる時点で非常識ですが、それに関する連絡がないことは相手側の無責任さを物語っています。仕事を発注し、既に納品してもらっているため、よほど信頼のおける相手でない限り期日通りしっかりとお金が支払われるべきです。こういったクライアントは実際に存在しており、数々のフリーランスエンジニアが泣かされてきました。
背景には、フリーランスは舐められていることが多く、特に女性で経験の浅いフリーランスエンジニアは、そういった扱いを受けることがより多い傾向にあります。支払いが行われなければ仕事を引き受ける意味がなくなってしまうため、そういったクライアントにははっきりと意思表示しなければなりません。クラウドワークスなどのサービスを介して受注する場合でも同じです。支払いが行われない時には、弁護士に相談することも考慮に入れながら対応にあたりましょう。
納期がやたら伸びるのも良くない
納期や制作プランが先延ばしにされるのも、地雷案件と言えます。クライアントが仕様書やデザインデータの送付にやたら時間がかかる場合も、危険信号が点いていると考えた方が賢明です。「納期が延びるだけならその分ゆっくり仕事もできるし、別に問題ないんじゃないの?」と思ってしまいがちですが、それだけ非効率的で、いつ終わるか分からない=支払いがあるか分からない仕事にいつまでも時間を取られることになります。
やたらと変更や仕様書の送付に時間がかかったり、すでに練られた仕様書が届くのではなく何度も似たようなやりとりを繰り返したり、トップページを仕上げたものの下層ページのデザインデータがなかなか届かなかったりなど、何故か仕事を進める段取りや必要事項の連絡にやたらと時間がかかるのは、地雷案件のサインです。「いついつまでに仕様書を送ります」と言って、向こうが指定した期限を過ぎても連絡がない場合、時給換算すれば完全に赤字、ということに後から気づくこともあります。
いずれにしても、仕事がなかなか進まず変更や追加の作業が多い場合は、その案件に関わるのを今すぐやめるのが賢明かもしれません。あまりにも気軽に変更の連絡が多いと、その後も追加の作業や仕様変更を迫られる可能性が高く、追加請求に対してもルーズな反応を示してくることも多くなります。多少の修正はともかく、仕様変更は追加料金の発生する作業です。始めに受注した内容と違うため、やり直しが発生するからです。連絡がルーズで変更が多いクライアントには注意しましょう。
その他の地雷案件まとめ
他にも地雷案件の特徴はあり、
- クライアントの要求と自分の技術レベルが合わず、きちんと評価される納品ができそうにない
- 法的、倫理的に問題がありそうな案件
- 見積もりの時点でプロジェクトや全体像が曖昧で、お互いに納得のいく仕事が難しそうな案件
- 「仕事を紹介するから」などの条件付きで、無料で制作してほしいと頼まれる案件
- 直接会うことや飲み会などがやたらと絡む案件
などは、基本的に地雷案件と思っていて間違いではありません。特にフリーランスになりたてのエンジニアにとっては、とにかく仕事を受注して収入を得たい、むやみに断っていると仕事がなくなってしまうといった思いから、地雷案件に引っかかりやすくなります。しかし、
- 契約書をきちんと交わす
- 前金でもらうか、修正回数に制限を設けるなど、自分が働きやすい環境を強制的にでも整える
- 見積もりを事前に出す
- 地雷案件を踏んでしまったら、例え代金回収できないなどの最悪の状況に陥っても、そこから地雷案件の特徴を必ず学ぶ
などの対策をしておけば、時間が経つにつれ優良な案件を見極められるようになるでしょう。現在プロとして活躍しているプログラマーも、そういったトラブルを乗り越えて前に進んできた経験を持っており、優秀なプログラマーほどそういった経験を重ねていることが多いものです。