エンジニアの世界は、楽しいプログラミングだけでなく様々なエラーや未知の問題も溢れてる世界です。

エンジニアとして活躍するためには、専門知識以外にも一般的な能力やスキルが求められます。

論理的思考力、問題解決能力

エンジニアに最も求められる能力の一つが、論理的な思考力です。プログラミングの現場では、トラブルやエラーが日常的に発生します。問題が発生した時は、常に論理的な思考で「なぜ問題が発生したのか」を考え続けなければなりません。新しいシステムやプログラムの開発中は、問題の解決方法を書いたマニュアルなど存在しないからです。自分がマニュアルを作る側になるため、問題解決能力が常に求められます。これには、普段からよく頭を働かせることが不可欠です。

誰しもある程度思考力を働かせているはずですが、思考力を鍛えるには「どうすればより効率化できるか」といった、エンジニアの仕事に役立つ思考パターンを鍛えなければなりません。これは、自分が既に知っているコードを入力する作業よりもよほど難易度の高い作業です。自分が知らない技術やコーディング、プログラムの使用が求められるからです。そのために、普段から最新技術やトレンドを取り入れておくことが必要になります。そこで、やはり普段から疑問や使命感を持って作業することが求められます。

「より簡単に作業するにはどうしたらいいか」

「利用者がより便利に使えるにはどうしたらいいか」

「より短時間でこなすにはどうすればいいか」

などを、作業の中で生み出していかなくてはなりません。

エンジニアの世界は競争が激しく、昨日の新技術は今日には時代遅れになり得る世界です。自社でサービスやアプリを開発しているのであれば特に、いつもコミットできる人間が求められます。開発を受注する場合でさえ、仕様書の通りに開発を進めるだけでは上手くいきません。実現の可能性や本当の必要性を考慮し、臨機応変に目的を達成していかなければならないからです。

地道な努力、継続力

さらに、プログラミングの世界は映画のようにはいきません。天才ハッカーやエンジニアが超高速でキーボードを操り、目にも留まらぬ速さでプログラムを操る…といった場面は、エンジニアの日常ではないからです。確かに、プロジェクトによってはスリルや緊張感があり、やりがいを感じる作業も中にはあるでしょう。しかし、エンジニアは日々「エラーと向き合う」仕事です。画面に表示されたアルファベットと数字の文字列をにらみ、どうしてエラーが発生しているのか、どこに不具合があるのかをひたすら考えます。コードを修正してプログラムを実行したのに上手くいかず悩む、といった仕事ぶりこそが日常です。コンピューター相手の“コミュニケーション”は上手くいかないものです。

地道に作業をこなし、エラーを一つ一つ潰しながら開発を進める粘り強い姿勢も求められます。そもそも、プログラミング言語を学ぶことが非常に根気の求められる作業です。コードを読み書きできるようになるまでに、少なくとも2~3ヶ月はかかります。初めて見るプログラミング言語は、たとえ他の言語に精通していたとしても意味不明に移ります。日々主流言語や開発ソースが変わっていく業界で、最新の言語の使い方や機能に付いていかなくてはなりません。エンジニアになったとしても勉強の日々が待っています。あきらめなければ、「根気強く地道に“スキルアップしていくスキル”」が鍛えられます。

コミュニケーション能力の重要性

コミュニケーション能力は、エンジニアの世界でも非常に大切です。円滑なコミュニケーションなくして順調な開発はあり得ません。問題やエラーが頻発するような開発では、とりわけコミュニケーション能力が求められます。一人でマイペースにパソコンに向かって作業できるお気楽な仕事ではありません。お客様へのプレゼンテーションや、開発チームとの綿密なコミュニケーション、即座の情報共有は、エンジニアの日常にとって欠かせないものです。

特に、エンジニアが接する人の多くは、プログラミングやコーディング、環境構成について知らない人がほとんどです。少数精鋭でみんながプロ、という会社もありますが、それでもプログラミングに関してはまったくの素人である、顧客や営業と連絡を一切取らずに済むことはないでしょう。そこで、「分からない人に分かりやすく説明する」スキルが求められます。相手の理解度を把握し、相手の頭の中を整理しながら話す能力です。これはシステムやプログラミングに関する知識だけではカバーできない分野です。フリーランスで働くことを目指すエンジニアは、さらにセルフマネジメント力や営業力も求められます。

会社や企業というバックアップがない分、自分で自分をプロデュースしていかなければなりません。フリーランスのエンジニアと聞くと、どこか自由で自分の好きな時間に好きな分だけ働く生活を思い浮かべるかもしれませんが、仕事を受注して依頼書のとおりに作成し、アフターも含めて求められた品質で納品するのは、自由な分さらなる責任が求められる仕事です。エンジニアには、プログラミング言語の専門知識や技術だけでなく、依頼された仕事を想定していなかった問題を乗り越えて確実にこなす能力が求められます。